メンタルが弱い自分が悪いと責めていませんか?
私は適応障害と軽度のうつ病で半年ほど休職したあと、復職しました。復職してからも、調子がいい日もあれば、あまり良くない日もありました。必要以上に周りに気を遣って疲れてしまったり、被害者意識や後ろめたさを感じてしまったり、頭痛や疲労感が大きかったりと心や体調の浮き沈みを感じていました。
また、別に面と向かって言われたわけではないのですが、周囲の人から“あの人はメンタルが弱いから精神を病んだんだ”“休職するのは逃げだ”と思われているように感じていました。なんとなく腫れ物に触るような気遣いを感じながら働いていたのです。休まなければこんなことを考えたり感じたりせずに働けたのにと、休職してしまったことを後悔していたのです。
そんなとき、1冊の漫画に出会いました。
『Shrink~精神科医ヨワイ』
この本は、パニック障害やうつ病といった様々な精神疾患などに苦しむ人々の葛藤に精神科医の弱井先生たちが寄り添い、回復や精神疾患への向き合い方を発見していくお話です。
私は休職中、何もできない自分を責め、役立たずな自分は生きている価値や意味がないと感じてしまい、このような精神疾患などを取り上げた本や漫画を読むことができませんでした。ただ、少しずつ自分を客観的に見ることができるようになってきた復職後は、柔らかな絵の雰囲気に惹かれ、この漫画を読んでみようと思うことができました。
この漫画で特にパニック障害とうつ病でそれぞれ苦しんでいる方々が取り上げられていた話は、自分が休職中に苦しんでいたことと重なって、涙が溢れてきてしまいました。
私はどこかで“自分は心が弱いから適応障害になってしまったんだ。”と自分で自分のことを否定していたのです。自分で自分を否定していたことを気付けるきっかけをくれるとともに、心が弱いから適応障害になってしまったという考えは違うんだという新たな視点を与えてくれるようなお話でした。
パニック障害で苦しむ方に弱井先生が伝えた言葉で特に心に残り、私を支えてくれている言葉があります。
“パニック障害は心が弱いからなる病気ではありませんよ 脳の誤作動です”
“心身が疲れすぎたという危険信号を受け取った脳が暴走しているだけです 「もう十分頑張ったから休んでね」って脳が教えてくれているんです”
(Shrink~精神科医ヨワイ~1巻より)
これは、パニック障害に関しての話かもしれませんが、私にとっては軽度うつや適応障害といった精神疾患にも言えることではないかと感じました。私が休職を後悔し、後ろめたく感じていたのは、“自分はメンタルが弱いから精神疾患になってしまった”と考えていたからです。
メンタルが弱いから適応障害になるという誤解
適応障害は、ストレス耐性が強い人であってもなりうるのだそうです。つまり誰にでもなりうる病気なのです。
その人自身の「心の弱さ」ではなく、ストレスの原因となる環境において、その「ストレスの量や質がその人の許容範囲を超えてしまった」ためになるものだと私が受診しているクリニックの先生に言われました。
頭ではそれとなく理解しているつもりでしたが、心では納得できていませんでした。まだまだ調子が悪い時には、「心の弱さ」を攻めてしまいます。でも少しずつでいいので頭でも心でも“心が弱いからなる病ではない”と理解していけるようにしたいです。その気付きのきっかけを、Shrink~精神科医ヨワイ~は与えてくれるのです。
ぜひ、みなさんにも笑顔のきっかけとなるこの本をお手にとっていただけたらと思います。